(  市)ルネサンスへ<2016-0304 風景の記憶



3:アンサンブル。


それは、感覚の感覚といったもの。
肉体の記憶とでもいったもの。
意識されることのない「感受性」とでもいったものである。

たとえば、視覚はどうだろう。
目という感覚が、感覚自体としてよろこぶ感覚とは、つまり、
コントラストの明暗と色彩の諧調の豊かさである。そしてそれがまた、
様々に、色彩として時間的に変化してゆく優雅さ、とでもいったもの
である。

明暗と色彩の諧調とは、人間の目が感じることができる、
明るさと色の豊かさのことであるが、ただたんに、まんべんなく見える
というのが、美しく気持ちがよいというのではない。
明暗と色彩が組み合わされて模様となり、印象になって、調和され、
アンサンブルとなって、言わば、かなでられて、目のなかで映し出される
のである。それが美しく感じられるのである。

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