(  市)ルネサンスへ<2016-0304ーb2



しろ色、~1。


白い犬。白いウサギ。白いヘビ。白い馬。白い鳥、・・・・・・。
なぜかみんな不思議な存在のように思えてくる。
あり得ないのである。白い生き物なんて、なんか変ではないかと。
第一、生きて行けない。目立ちすぎて天敵に襲われる。だからまた、
巻き沿いを恐れる仲間から忌み嫌われ、殺される運命にある。

にもかかわらず、生きている。だから、不思議でならない。
同じ仲間でありながら、仲間でないのである。しかし、それにしても、
いったいどうやって、生き延びてきたのだろう?
仲間からも嫌(キラ)われ、天敵からも真っ先に狙われるというのに。


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まぶしい。限りなく美しく、まばゆいほどに光かがやいている。
一瞬、ほんの0.05秒くらいの瞬間、永遠の夢を見ている。
まばゆい光のなかで。真っ白の、純粋で透明な、はてしのない永遠の
世界である。カラダが固まって、息が詰まり、めまいがして、自分の
心臓の鼓動の音が聞こえる。

これもまた、白色(シロイロ)なのだろう。
そのなかで自分が溶けて同化して、消えている。
自分と、外の世界との境界がなくなって、そんなことは、
もうどうでもよくなって、自分と世界とが同じものになっている。
光かがやく天使に誘われて、永遠の世界をさ迷っている、夢の中で。
白色(シロイロ)とは、まぶしさの向こう側にある、
目に見えない世界であって、現実を透過したアチラの世界の色なのだ。


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