(  市)ルネサンスへ<2016-0325ーb



~1:噴出。


たのしみ、よろこび、怒り、憎しみ、恐れ、いのり、あこがれ、
・・・といったもの。そうした心の動きは、夢の中、または孤独な
一人ぼっちの意識の中では、人間のすがたとなって、その表情として
イメージされ、見えてくる。そして、意識され入りこんでくる。
感情という人間の性質や心の動きは、人間のすがたとして、
無意識の夢の世界に現れてきて、表現され、見えてくる。
人間の表情こそが、もっとも人間らしい心の動きを表現している
からである。

もちろん、そうでない場合もある。
たとえば、恐れとか恐怖などは、おそいかかってくる動物のキバとして
見えてきたり、自分が落ちてゆく谷底の闇の中としても見えてくる。
あるいは、よろこびやここちよさなどは、春の野原や、空中をただよう
雲の中や、まばゆい光のなかの花園としても見えてくる。

つまり、いずれの場合にも、相手がいないのである。
相手として見えて来ても、それは動物とかオバケとか悪霊であって、
人間の姿ではないのである。人間の姿こそが人間的な感情を
表現出来るのであって、オバケや花園は感情というよりも
衝動に近いものである。


相手とは、動物でも花でもオバケでもなくて、人間のことである。
それも、自分自身のことである。もちろん、逃げる自分のすがたとか、
寝そべる自分のすがたも、たまには見えてくるが、
それらはすべて夢の最後の場面、めざめる直前に見えてくるのである。

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