(  市)ルネサンスへ<2016-0325ーb



~2:心のすがた。


ところが感情といったもの。憎しみや、恨みや、喜びや、
祈りといったものは、はじめから最後まで人の姿で現れる。
あるいは、日々のどうでもよい暮らしとかの出来事は、
記憶に残ることも、夢に出てくることもない。それが何か特に
意味のある象徴となっている場合は別であるが。

そして反対に、意識せざる、心地よさとか嫌悪感といったものは、
雲の中とか、花園としてイメージされてくる。それが夢の世界である。
人間の姿はほとんどでてこない。それは、感情というよりも、
情緒の世界なのである。

だからやはり、人間の感情といったものは、
人間の姿と表情でもって表現されるしかないのである。
それらは、自分自身の心のすがたを映し出しているのである。
間接的にではあるが、自分で、自分の姿(スガタ)を見ているのである。
それは、自意識であり、自分のなかの心のあり様を見ているのである。
自分で自分の心の中をのぞいて、見つめているのである。
だからやはり感情は、人のすがたが最もそれにふさわしい。

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