(  市)ルネサンスへ<2016-0401  夢の中、



~1:探しもの。

何かを象徴するものが先に見えてきて、
そうして夢の中で物語が始まる、ということもあるが、
そうでない場合もある。つまり、夢に現れるものが
象徴に結びつかない場合である。

象徴というのは、それを通して、その背後にある何かを暗示して
いるのであるが、そうした、何かに関係しているということが、
感じられない場合なのである。何かを暗示し象徴するようなものが、
イメージとか印象として現れて来ない場合である。

にもかかわらず、それは出てこようとしている。夢の中で。
何かの姿やカタチをとして。そして、それを示唆し暗示するような
イメージを、夢のなかでさがし求め続けている。しかし、それがはたして
何なのかというのが、自分でもわからないのである。にもかかわらず、
さがし続けるしかないのである。そうする以外にないのである。

そうした、わけのわからない、正体不明のなにかに追い立てられ、
呑(の)み込まれてしまいそうになる。だから、
走りつづけなければならない。あるのか、ないのかわからないまま、
さがし続けるのである。

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