(  市)<ルネサンスへ<2016-0401  夢の中、



~10:情緒の世界。


情緒というものは、たしかに個人的なものでもあるが、
現実に生きて暮らしている場面から見ると、まさに社会的な情緒で
あって、いいかえると、それぞれの民族にとっての情緒である。
地理的・歴史的概念としての情緒である。

それは、そうした地理的、歴史的環境のなかで、つまり、
そうした風土的条件のもとでのみ成り立っている。
風土と一体となった、風土そのものと言ってもよい、
感覚と生理の感じ方、そしてその情緒のあり方、条件といったもの
なのである。

人間自身の、意識以前のところで、意識されることない無意識の
ままで、情緒が人間を支配しているのである。そうした意味で人間は、
意識の届くことのない、「情緒」の世界を生きているのである。

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