(  市)ルネサンスへ<2016-0408 早春、



~2:明るい。

しかし、同じボタン雪でも早春のころのそれは違う。
ひとことで言って、明るいのである。空全体が、また、
目に見える情景全体が、なにもかも、冬と違って明るいのである。

それは、冬と春との、太陽の軌道の違いなのであって、春の太陽は、
空高く、そして長く、景色全体を照らし続けている。明るく、
そして暖かいのである。だから早春に雪がふっても、それは一時的な
ものなのであって、すぐに晴れて暖かくなるというのは、経験上からも、
また身体上の記憶からも予感されるし、十分に予測もされるのである。

つまり、のぞみとか、あこがれといったものが、すぐ目の前の
手の届くところにあって、明るく開いてゆく、そうした暖かさというのが
早春のころの気候の基調なのである。これと反対なのが、
うす暗さ、寒さ、内志向なのが、真冬の基調なのである。

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