(  市)ルネサンスへ<2016-0408 早春、



~4:カタチ。

早春の頃の、冷たさのなかの暖かさというのは、のぞみであり、
願いであり、祈りなのである。そしてそれを、目の前の現実に
垣間見ているのである。早春の日々というのが、冷たさから暖かさへ、
死から生へと移行して行くのを、身体が知っているのである。これが、
風土がもたらす「情緒」といったものではないだろうか。

外の自然環境と、人間の身体と、精神が共鳴し、交流して、
本来、別々のものであったのが、ひとつなってコダマしているのである。
その根源的なところで、つながりあって、ささやきあっているのである。
もしかすると、それらは本来、もともと同じものだったのかも知れない。
そう思えてくるのである。

まるで風のささやき、泉のせせらぎ、森のざわめきのように。
人々をつつみ、いだき、そして誘い、どこかへと導いているように
思えてくるのである。そしてそうしたことは、もともと、人間の中の根源に
あったもので、それが何かの弾(ハズ)みとか、きっかけで、
表に出てきてしまったのである。目に見えるカタチを求めて。

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