(  市)ルネサンスへ<2016-0415 (続)早春、



~1:予感。

早春の明け方は、まだ底冷えのする寒さが残っていて、身体も心も
萎縮するような冷たさである。そして午前中、急激に温度が上がって
きて、明け方と日中の温度差が極端である。春のなかごろまでなると、
明け方は、確かに寒いし冷たいが、底冷えするところまでいかず、
むしろ、身体が引き締まってくるような冷たさである。

まだ、少し冷たいが、それは身体(カラダ)を外へ向かって開き、
緊張させるような、そんな、何かの行動へと誘うような、そうした、
クールというか、新鮮で、溌剌(ハツラツ)とした、すがすがしい冷たさ
である。というのは、いまだ少し寒く感じる冷たさというのが、
すぐにも消えていって、しばらくすると暖(アタタ)かい陽気がただよう、
というのを身体が知っているからである。そうした、心と身体の変化を
知っているのである。そうなってしまうのである。
身体の動きとリズムがそのように出来ているのである

もちろん、外の空気は依然として冷たく、そして、太陽の当たる部分
だけが、特に暖かく感じられるのである。しかしそれも、昼前になると、
むしろ、暑く感じられるぐらいである。空気もすがすがしく気持ちがよい。
これが春の日の朝の、暖かさ、心地よさというものである。
言い知れぬ予感と、ほのかな希望を抱かせる、
そんな冷たさ暖かさなのである。

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