(  市)ルネサンスへ<2016-0415 (続)早春、



~4:市街地。


昼夜の温度差の著しい春の夜に、 空気中の水分が絞り出されて、
地表面で露(ツユ)となる。それが朝の急激な温度の上昇によって、
水蒸気となり、カスミとなるのである。この水分の供給源は、
山野を覆い尽くす植物の表面であり、たんぼの泥濘(ヌカルミ)であり、
川辺の水たまりである。そして、それを気体化するのは、主に太陽の
直射光である。日当たりのよいところから、キリとカスミが発生し始める。

たしかにコンクリートとアスファルトで囲まれた市街地でもまれに濃いキリが
発生することがある。しかし、こうした霧(キリ)は、たとえば朝の9時
ごろにはあとかたもなく消え去って、大気はキレイに澄みわたっている。
この場合、水分の供給源は限られていて、地表の大気中の水分が
キリになっている。だから、気温の上昇に伴う、大気の飽和水蒸気量
の増加に吸収されると、その時点で、キリは完全に消えてなくなる。
その後、地表面から水分が供給されることがないからである。
これがコンクリートとアスファルトで囲まれた市街地での、キリの発生消滅の
パターンである。それは非常に短時間の出来事で、せいぜい2、3時間
のあいだである。

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