(  市)ルネサンスへ<2016-0429 風土、



~10:均質性。

そしてまた、コトバなど話さなくても、おたがいが何を考えているのか、
それ以前にすぐにわかってしまうのである。歴史的・文化的均質性
といったものである。その場面ごとの事情とかワケといったものが、
だれも同じで、すぐにわかってしまうのである。だからまた、
感情をあらわにしない。その必要がないのである。

感情をあまり外に出さないのである。
感情を自分の中にしまい込み、耐え忍ぶ。
イヤなことがあっても、じっとガマンしてまわりに合わせる。
協調し、それどころか何ごともなかったように、ほほえんで答える。
まわりに心配をかけまいとしているのである。
こうしたことは、日本以外の世界のどの国にも見られない情緒である。

しかし、それでは持たないのである。心が壊れる。だから、まわりにいる
者が察してやらねばならないのである。気づかなけれならないのである。
お互いにみんなが、思いやり気づかうのである。
そうやって集団がまとまり、そして社会として成り立っているのである。

察しと、気づかいと、思いやりを相手に求め、そしてそれ以前に、
自分自身がそうした世界に生きて来たのである。おおむかしから、
ずっとそのように生き続けてきたのである。日本列島は狭く、
そしてまた同じ子孫(民族)がほとんど変わることなく生き続けて
きたのである。そうした、孤立し隔離された世界である。そしてまた、
こうしたことが、まさに日本的情緒の際立つ特徴なのである。

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