(  市)ルネサンスへ<2016-0429 風土、



~13:規格外。

日本人は、自分から進んで、他人に助けを乞(コ)うことは非常に少ない。
外国人から見ると、あまりに周りに気を使い過ぎている。だから反面、
こうした内向的な情緒が行き着く先は、心中や集団自殺(玉砕)と
いう、外国では見られない特異な現象が、最後に起きる。

このような、プレッシャーを自分だけで心のなかにしまい込もうとする
のは、日本人だけの特異な性質で、その心の仕組みと動きの
独自のあり方を示している。それは中国人にも朝鮮人にも西洋人
にも無い、日本人だけが持つ心の「あり方」である。

もしかすると「島」という、地理的にも、歴史的にも、閉じた世界が
そうさせるのかも知れない。島国日本には、大陸におけるような辺境
というのがなく、異民族や規格外の者、あるいはまた、オキテの外の
人間がが生きて行ける余地がないのである。地理的・空間的にも、
社会的・文化的にも、そしてまた、肉体が生きてゆくための職業に
おいてもそうなのである。それでも、自分を貫こうとすれば、死以外に
ないのである。

歴史的にも敗者(異分子)は、自分から進んで「いさぎよく」自分を
まっとうするのが恒例となっている。サクラの花びらのように、死に望む
のである。

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