(  市)ルネサンスへ<2016-0429 風土、



~8:コネ。

だからまた、法律、道徳、礼節といったものが厳密に区別される
ことがない。それらすべてに感情が絡(カラ)んでいる。感情と情緒が
それらすべてに優先している。

法律は個人の外からやって来るものであるが、
本来の、道徳や礼節は、個人の内面から発するものである。
ところが、この内面といったもの、自己意識といったものが、
限りなくあいまいで、ぼんやりしていて、自覚されることがないのである。
とすれば、道徳や礼節といった、本来、自己の内面に属することでも、
外から、法律などと一緒に入ってくるしかない。

これがまさに、意識されることのない感情と情緒が支配する世界なの
である。なにも悩むことのない、考えることもない、もっとも自然な
自分のあり方なのである。つまり、日本社会の根本原理としての、
談合とコネはなくならない。それはこれからも、ずっと続く。
それは日本の風土に根ざし、風土と一体となった、日本の暗黙の
常識、公序良俗、正義なのである。そして、それはまた、東アジア
社会特有の特徴であり、日本社会の根本原理なのである。
それは有史以来、日本社会が指向し続ける方向性、風土的特性
とでもいったものなのである。

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