(  市)ルネサンスへ<2016-0513 霞(カスミ)の世界。



~1:山々。

日本は、どこにいても必ず山が見える。
地平線の代わりに山々と、海の水平線が見える。
山か海が必ず見える、地平線の無い世界である。
日本は「島」なのである。
(北海道だけは別で地平線が見える)

遠くの山々がかすんで見える。晴れた日にはよく見えるが、
カスミ(モヤ、霧などの水蒸気)が立ち昇ると、山々の姿が消えてゆく。
人間と、外の世界との間に空気があって、その中の不飽和水蒸気が
人間と、外の世界との間をへだて、かすんで見せている。

現れては消えて、消えては現れる。まるで蜃気楼か幻(マボロシ)の
ように。もしかすると、それは僕の心証の世界、僕の精神が作り出した
幻想の世界のように思えてくる。だから、いつも定まらず、
うつろいながら、まるで空間の中をただよいながら、生成と消滅をくり
返しているのである。

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