(  市)ルネサンスへ<2016-0513 霞(カスミ)の世界。



~2:心の中。

見えているようで、実際には何も見えていない。
すぐそこに届きそうに見えながら、けっして届かない。
すぐそこにあるように見えながら、実際には何もなく、
それでいて、いつでも、どこでも、どんなときにでも、
自分のまわりで漂っていて、すぐ近くにあるように思えてくるのである。
そんな世界。そんな心証、こころの情景。これはいったい何なのだろう。

僕はいったい何を言っているのだろう?
自分でも、自分がわからなくなるのである。僕は何で、
僕はいったい誰なのか。ふと、わからなくなるのである。
これはたぶん、遠くのかすむ風景を見ながら、実は、
自分自身の心のなかを見ているのである。
現実の世界にはない、とらえどころのない、
現実の世界に存在しない観念だけの、
自分だけの世界を見ているのである。

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