(  市)ルネサンスへ<2016-0603 春かすみ、



~8:音色(ねいろ)。

このような、変化と移ろいの世界を人間は生きている。
これが、そこに生きている人間にとっての、暮らしと身体のリズムなので
あって、体内を流れる血の流れでもあり、そしてまた、外の現実世界や
四季の移ろいとのアンサンブルなのである。それらが、ともどもたがいに
反応し、揺れてきしんで、ひびきあい、コダマし、共鳴しあい、
新たな、それまでに無い、音色(ねいろ)を生み出しているのである。

それが人間にとっての「情緒」ではないだろうか。
そうしたつながり、一体感といったもの、連続性といったものが、
どこかで切断され、断絶している。自己の一体性、人格、個性と
いったもののケジメが無くなって、あいまいになって、どこかでとけて
消えてしまっている。自分が見失われている。自己の魂を
喪失している。

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