ルネサンスへ<2016-0701 精神、



~1 カタチ。

何かが見えるとか感じられるといったことは、そこに、その周りのもの
とは異なるなにかがあるからである。あるいは、自分とは異なる何か別の
ものがそこにあって、自分の意思や、自分を成り立たせている原理とは
何か別の原理や必然性がそこにあるということである。それが自分とは
別のものという意味である。

自分でコントロールも出来ず、知り尽くすことも出来ない正体不明の得
体の知れないもの。それが自分の外にある世界であり、そしてまた自分
自身の精神の世界でもある。それは結局、自分との係わりの中でしか
知り得ず、そうしてその限りで知ることの出来るものであり、そしてまた、
自分にとってはそれで十分なのである。

それ以上知る必要もないものなのである。自分とかかわりのないことなど
知りようもなく、また仮に知り得たとしても、現実とはいかなる意味でも
関係のない空想でしかない。それどころか、この空想自体が自分が感じ
たり知り得たところの、その現実から来ているのである。だから従ってまた
、人間は自分と関係のあることしか知り得ないのである。そしてまた、
それで十分なのである。

 戻る。                          続く。

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