ルネサンスへ<2016-0708 信じるもの、
~4 「種(しゅ)」。
例えば、日本における王朝(天皇)の継続がそうである。有史以来滅亡しなかった地球上の唯一の王朝である。戦争の短期終了もそうである。争いというのが種の根絶へと進まなかったのもそうである。島国という閉じた狭い空間が「種」を単一化し、これに対抗する他の種が形成されず、また存続することもなかったのである。 例えば、王朝(天皇)の交替といったことは、あり得ないこと、あってはならないこととして、破滅的な結果をもたらす。この閉じた狭い空間では根本的なシステムの交替というのが起こらないのである。それはもともと根源的なものであって、取り換えることが出来るといったものではないのである。 かの明治維新(ブルジョア革命)でさえも、天皇による王権の復活というう名目で行われている。システムのカタチは変わっても、より根源的な実質になんら変わりがないのである。変わりようがなく、変わってもならず、変わり得ないのである。 それは日本に生きる者にとっての、彼らの「信じるもの」、言い換えると根源的で意識されざる無意識の信仰となっているからである。それが自分たちの存在理由、必然性となっているからである。 無意識の感覚、暗黙の共有意識、法律や道徳以前のオキテや戒(いまし)めとなっていて、これがまた人々をとらえて離さず、支配しているのである。そして、そこから出て行くということがないのである。そこから出るということは、非国民・非日本人なのであって、つまり、日本で生きる者にとっては、人間でなくなるということを意味するからである。 戻る。 お終い。 |