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そうしたことは、人間のノドから出て来る発声と、そしてそれが言葉へと変化してゆく過程にもよく現れている。前に述べた「あっ」という驚きと当惑の場面がそうである。 この瞬間は恐れのあまり、身体が極度に緊張していて、そしてそれと同時に困惑と怯えを伴うから、一刻も早く事態を確かめるべく、身体がどの方向へも無防備に開いている。 当惑し困惑しながらも、全身のすべての感覚でもって、それを確かめようと開いている。しかしまたそれと同時に、瞬時に反撃または逃避行動へと移れるように、全身が一点へ集中しようと緊張している。 無防備のままで開いていて、それでも身体はすぐにでも脅威に対抗できるように閉じようとしている。そうした集中と分散、そして緊張と開放の頂点にある。そうした両極端の間を行ったり来たりしている。震えが止まらないのは、このためである。 |
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