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1、変異。


始めサカナのヒレに過ぎなかったものが、動物の前足となり、そして人間に至って手となったのもそうである。

あるいは、原生動物にとっては、ただたんに光をぼんやりと感じる視覚細胞に過ぎなかったものが、数億年という進化の過程の中で、光をその強弱としてとらえ、色を識別し、その濃淡をもののカタチとして認識し、さらにそれを時間的な動きとして捉(とら)える、人間の目というものにまで変異させたのもそうである。

同じ視覚細胞といったものを、目という複雑で完成された組織と仕組みを持つ視覚器官へと変えていったのである。「必要」といったものが、人間の生理やライフスタイル、そして身体構造まで変えていったのである。もちろん数万数億年という永い進化の過程の結果としてではあるが。



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