index< 日誌 < ao強制力 < 21-23「制約I:信じるもの」


6、創造。


しかしまた人間は、現実に無いものを頭の中で見ることが出来るし、またそれを感じるし、信じているというのも事実である。人間の感覚というのは自分勝手であるし、またそれを感じ取る意識も偏見とデッチ上げに満ち満ちている。

しかしだからこそ、それが意識なのである。現実に無いものを、自分の都合に合わせて作り出し続けているのである。現実とは別の、自分の閉じた観念の世界の中で、それを営み続けているのである。またそうしたことは、現実から切り離された意識の世界でのみ出来ることなのである。

しかしそれは、すべて、すでにあるものを持ってなされたのである。これが現実なのである。どんなものでも、現実にないものを持ってなされることは不可能なのである。現実にあるものを通して、そこから現実に無いものを作り出していったのである。空想自体が現実の世界からの反映なのである。

例えば、新たな文明や民族・国民といったものがそうである。また、個人的な空想の世界もそうである。空想自体が現実の出来事をその素材にして営まれているのである。



戻る。                     続く。


index< 日誌 < ao強制力 < 21-23「制約I:信じるもの」