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いまの私たちに無いもの、失われ忘れられたものが、そこにあるのである。もちろん、忘却のかなたにあって、思い出そうとしてもなかなか思い出せない。 それも記憶の障害にあって、いまとなっては単に、何かの記憶の痕跡やカケラの残影に過ぎず、自分でもワケの分からない、得体の知れない正体不明のものであるに過ぎないものが、そうなのである。 しかし、それしかないのである。それを元にして、それを通してなされるしかないのである。他に、それを知る方法がないのである。自分自身の中に、それに反応して呼び起こされる何かがないと、何も見えて来ないのである。 そしてこれが、そこにしかないということなのである。無いと分かっているものを手探りで探し求めて行くしかないのである。それを、いまは失われた記憶の残影の中に求めているのである。 |
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