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現実を知らないから現実に背を向けているのではない。自分にとっての現実というのを、ホントはよく知っているからこそ、現実に背を向けるのである。もはや手遅れでどうにもならず、またそれ以前に、現実というのが自分たちにとって、お互い相入れないものだということを、よく知っているのである。 だから背を向けるのである。だからまた、そうした自分というのを外部の第三者から見ると、実に不可解な、まったく理解のできないことをしているように見えてくるのである。 しかし、本人にして見れば、ただそれだけが自分に残された生き方になっているのである。仕草や言い回し、身体の動きなどもそうである。いまの自分にして見れば、そうやってしか自分を表現し得ないのである。 そうやって、自分が自分であり続けるとともに、自分が永遠の存在として生き続けるのである。少なくとも本来の、もともとの自分のままで最後を終わることになるのである。 日常のあり得べき普通の自分に戻って行くのである。自分本来のすがたへと戻ってゆくのである。あるいは少なくとも、そうした自分であろうとするのである。 |
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