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10、時間。


さらに、このような遺伝による可能性といったものは、いまだカタチなき可能性、あるいはほとんど無限に近い可能性なのであって、様々な、錯綜し混乱した要素がごっちゃ混ぜになったものなのであって、そこからそれを可能性として引き上げて、設計し、現実のカタチにしたのが適応なのである。

このような遺伝がなければ適応もなく、また、適応自体が何らかの遺伝の結果なのである。だからまた、このような遺伝と適応の間に明瞭な境界線を引くことは、不可能なのである。

それは他の言い方をすると、遺伝というのを、時間的に非常に短い数十年単位の一世代で見ると、まさにこれが適応なのであって、そしてこの適応というのを、世代をはるかに超えた非常に長い数万年単位で見ると、これが遺伝なのである。適応の無限のくり返しが、遺伝による自身の身体のカタチまで変えてしまっているのである。



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