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「相似」というのは、進化の系統樹の別々の枝で発生した器官が、そのカタチが似通っている場合をいう。しかしこれは、歴史的な経過や、その原理、必然性や発生の理由から言うと、まったく別のものなのである。 ただ見える表面上のカタチが非常によく似ているということなのである。それは見えるカタチは同じものでも、その発生から言うと、本来、別の起源を持つカタチなのである。 たとえば、鳥とハチの羽根がそうである。生物であるという構造と地球という環境が、それを条件付け、そして決定しているのである。そういう訳で、この飛ぶための手段としてのカタチは、どうしても似通ってくるということなのである。 この両者は、進化の途上でそれぞれが「飛ぶため」という、生存上の必要から発生したものであって、それ以外の共通性を持たないのである。見える表面上のカタチが同じなのであって、その出自が根本的に違うのである。それが必要とされた理由は同じであっても、その出自と原理がもともと異質なのである。見た目の外観は同じでも、発生の始めの起源が違うのである。 |
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