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4、自己完結。


自分でもそれが何のことなのか分からないまま、ただ、そうした雰囲気や空気や感じといったものだけが、自分を取り巻いて、自分を支配しコントロールしているのである。意識や思考以前の、それとは別の「感覚そのもの」、そうした潜在的な無意識の世界なのである。

そして、そうした場合の人間の表情を見ると、その目はウツロである。なぜなら、現実の対象といったものが存在せず、その目は自分の中を見ているからである。つまり、なにも見てないし、見るものもなく、見えてもいないからである。非現実の自分の中の空想の世界を見ているからである。

だからまた、このような場合の表情は正直である。それは自分自身に対してそうなのであり、そしてまた、現実の世界を無視しているのである。理由や原因といったものを喪失した、そうした現実から切断された純粋の感情の世界がそうなのである。

現実から切断された、純粋の嬉しさ・楽しさ・悲しみ・怒りといったものがそうなのである。もはや、現実との接点を見失い、自分だけの閉じた世界の中で永遠に同じことをくり返し続けるのである。



戻る。                     続く。


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