index< 日誌 < as同一性< 21-61「似せる」


1、なりすまし。


似(に)せるのは、それが自分にとって必要なもの、求めるもの、願うものだからである。だから真似て似せるのである。自分にとって、そうせざるを得ない事情がそこにあるのである。しかし、どのように似せたところで、もともとのオリジナルな者とは同じにならない。

似せる者と、似せられる者とが元々別の者だからである。また、だからこそ、これを「似せる」というのである。自分の中で何かが変わろうとしている。あるいはまた、何も変わらなくても、たとえ表面上だけでも何かが変わったのだと似せようとしているのである。

マネてニセて成り済まそうとしているのである、自分がいつもの自分と違う者のように振る舞っているのである、たとえそれが表面上のことに過ぎないものであってもそうなのである。



履歴へ                    続く。


index< 日誌 < as同一性< 21-61「似せる」