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それは、自分が願い求めるものといったものが、自分とは異なる理由の下に営まれている。つまり、それを動かしている原理やシステムといったものが、もともと自分には無いものなのである。そしてまた、そうであるにもかかわらず、表面上だけでも自分を変えようとしているのである。 もともとあった別のもの、それぞれが異なる別のものを、同じ者のように似せようとしているのである。しかしまた、ここに自己と他者との明確な区別があるのであって、そうやって始めて「似せる」ということが成り立つのである。 「似せる」ということ自体が、似せる側と似せられる側とに区別されているのであって、そしてそれ自体が、自分と他者との区別があって始めて成り立つことなのである。だからまた、際限なくニセていったところで、自分が自分で無くならない限り、それは不可能なことなのである。同じものにはならず、ニセモノでしかないのである。 |
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