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5、不可抗力。


たしかに人間は、何かしらの不可抗力によって規制され方向づけられている。望むと望まないとにかかわらず、そうした自分の意思や主観とは、全く関係のない力によって支配されている。

そしてこの支配されているというのは、人間が生きている現実の「枠組み」のことなのである。ここから人間が条件づけられ、制約され、方向づけられてきたのである。それは目には見えず意識されることもない必然性であって、あらかじめ条件づけられた傾向とでもいったものなのである。

そして、ここから人間というのが定められ規定されてきたのである。これが人間の存在の前提なのである。たとえば人種、民族、国家、文明、文化などというのは、要するに、このような見えざる枠組みの基準でもって、自己と他者を区別しているのである。そして排除してきたのである。



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                    続く。


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