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自分にはそれしかなく、それ以外の感じ方というのを知らず、持たず、気づくこともないのである。そしてこれが自分にとっての条件であり、境界であり、制約なのである。そしてまた、そうである以上、そこから導きだされ、方向づけられ、規定されてゆくのである。 この「規定される」ということ。それは人間が生きている現実の条件のことなのであって、人間は、この現実を通して自分を現わしてくるのである。この現実以外に、人間というのが現れ出る場所がないのである。それは時代とも言われていて、要するに時間と空間(=歴史と地域)という、現実の場所に現れるということである。 だから人間は何かを成し得る、出来る、あるいは、生きる営みを衝動し、考え、喜び悲しむといった人間の存在自体が、この現実の中で行われ、そしてまた、この現実によって条件づけられ規定されるということである。そして、このような現実という囲いの中で人間は生きているし、生きて行くことができるのである。 |
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