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9、クセ。


また、人間にとっての手は、自分にとって動かしやすく、手間もかからず、ジャマにもならない。つまり、負担にもならずに手軽な仕草を可能にしているのである。これが自分にとっても、相手に対しても目立ちやすく気づきやすい正面で、だれに対してもイヤでも目に入ってくる、そうしたところなのである。もちろん顔表面の表情もそうなのであるが・・・

なんの意味もなく、どうして良いのかも分からず、何かしようともしていないのに、それでも手を動かしているだけで、ただそれだけで何かをしているように思えてくるし、また、そう見えてもくるのである。そして、これが何よりも大事なことなのである。

これはなぜかと言うと、深く考えるときには、自分は考えているという自覚が必要なのであって、これを自分の身体で証明し、確かめ、認めなければならないのである。あるいは少なくともそうした自分でなければならないのである。そして、そうしたことの繰り返しが、いつしか無意識のクセになっているのである。


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