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1、コダマ。



それは例えば聴覚や視覚に見ることが出来る。このような音と光は、直接に人間の身体の中に入ってくることがないのである。そもそも音と光は「波」なのであって、その振幅の強弱でもって、人間は何かを感じているのに過ぎないのである。

しかしまた、それを通して誰もが同じことを感じ取っているのである。感じ方は多少違うかも知れないが、音や光の物理的な強弱自体は同じものであって、そして誰もが同じものを感じ取っている。ただその感じ方が多少違うということである。そしてそれは要するに、同一の種であるという、種内部のシステムの同一性から来ているのである。

すなわち、異なる個体同士であるにも関わらず、その種としての同一性が、それら異なる個体同士の間で、それを共感し、響き、拡がり、感じ合っているのである。共振し、共鳴し、コダマしているのである。そうして交感し、共感し、そしてそれを共有しているのである。

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