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というのは、自分たちの存在や歴史というのを、変化し続ける相対的なものとしか見えないのである。このような人間は、自分が生きている現実世界とは別の世界を生きている。または、次元の異なる異質な世界を同時に生きている。 だからまた、自分というのが他人のようにしか見えず、自分たちの歴史についても、変化し続ける相対的なものにしか見えないのである。自己の絶対的な基準としての、タマシイというのが欠落しているのである。アイデンティティーと「自己の同一性」についても、疑いのまなざしを向け続けているのである。 そうした別世界の住人なのである。現実に生きているすがたカタチは、まわりのみんなと同じであるにも関わらず、その精神が拠って立つところの、精神の領域といったものが、全く別の世界を生きているのである。 つまり、このような人間は異邦人・異人種なのである。その見えるすがたカタチは同じであっても、やはり異人種でしかないのである。人間の型式のモデルがどこか根本的に違うのである。同一種という内と外との、境界線上の住人なのである。 |
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