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3、立入厳禁。


しかしまた、このような人間は、現実の人間社会とは別の精神の世界を生きている。精神が分裂し、それが両建てで成り立っている。そしてそのどちらもが自分なのである。現実と精神が切断された二重生活をしている。

現実の人間社会のシステムといったものを別の世界から見ていて、現実とは切り離された、自分自身の精神の領域を保有しているのである。所有権を確保し、境界を定め、だれをも入って来ないように「立入禁止」にしているのである。そしてこのような自分自身の、精神の領域を生きているのである。

そうした意味で、このような存在は、現実社会を客観的に見ているのであって、客観的にしか見えないのであって、客観的に見るしかない立場を生きているのである。そしてそれはまた、自分たちの歴史に対してもそうであり続けるのである。まるで他人ごとのようにである。

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