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1、可能性。


その民族の文化と歴史を規定する、その始まりの根源的な「原型」というのは、その民族の存在の仕方のことであって、要するに、生活のスタイルのことなのである。

肉食か草食か、遊牧か農耕か、交易とたまに略奪か、内陸かそれとも海洋依存か、平地なのか山岳か高原なのか、・・・といった具合である。また、見方を変えれば、近隣国との関係から、大国依存か、それとも無関係でいられるのか、といった見方も出来る。要するに、地政学的な意味でそうなのである。

そして、ここから宗教や政治の信条、歴史のパターンや、民族の気質や気性といったものが方向づけられてくる。それ以外の可能性がないという意味でそうなのである。民族が、民族として存在して行くための現実的な可能性とといったものが、あらかじめ定められているのである。

それは、当事者が願い求めてそうなったのではなく、それ以外に生きて行く方法がなかったという意味で、そうなのである。このような、制約され条件づけられた現実の枠組みの中で、自分たちにとって最も生きやすい方法が探し求められて行って、そして選択されたのである。それ以外にあり得なかったという意味で、そうなのである。

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