index< 日誌 < av表情 aj情緒 < 23-21「交感X:偽善」p12


10、信じるもの。


そしてそれは、自分にとって何よりも大切なことであり、そうやって現実に生きている自分自身について、様々な解釈と理由づけがなされてゆくのである。しかしまた、それの正否、良し悪し、それが真実か否かについては、ほとんどどうでもよいことなのである。

それはただ自分の都合に合うものであって、自分を正当化し、自分の立場を保全し、それにそれらしい理由さえ与えてくれれば、それだけで良いのである。それだけで十分なのであって、むしろそれ以外のことは不要なのであって、どうでもよいことなのである。それは自分にとって見れば、ただ煩(わず)わしく面倒なことでしかないのである。

なによりも、自分に何かしらの意味とその理由を与えてくれることこそが、もっとも切実で深刻なことなのである。それなしには、人間は生きて行けないのである。そうした「信じるもの」、信仰といったものが人間にはどうしても必要なのである。

戻る。                   続く。


index< 日誌 < aj情緒 < 23-21「交感X:偽善」p12