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14、暗黙のオキテ。


人間関係というのが、このような上下の関係だけで成り立っている世界である。なぜなら、自意識の中に自律した自己意識が欠落しているために、自分の自意識を他人に求めざるを得ず、それが親や会社や、そしてそのための学歴や出身などといった、自分の外の権威にそれを求めざるを得ないからである。

そして世の中の産業や社会全体がこのようなヒエラルキーに基づいて構成されているのである。そしてそれは、何も法律でそう明文化されているのではない。それはもっと深刻なもので、潜在意識の中でそう定めらているのである。

それは、文化とシツケ、習慣がそうなのである。法律以前の、世の中で表に出てこない、暗黙の合意としての談合や根回し、そして「和の精神」がそうなのである。「自分たち」という精神の世界がそうなのである。そしてそれは、ここで生きる誰もが守らねばならないオキテなのである。

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