index< 日誌 < aj情緒< 23-45見えない世界9「意義申立て」p7 |
精神の分裂は障害ではない。こうした障害こそが自分自身を意識させる動機になっているのである。自分をしっかりと掴(つか)んでいるからこそ、自分の内部に障害を抱え込むのである。自分で自分を意識するから、こうしたことが起こってくるのである。 このような自分の中の「誰か」とは、自分の中で同居している、もう一人の自分なのであって、それは一つには、精神と肉体の分裂であり、もう一つは、遺伝によって引き継がれるべき自分と、それを拒否して適応へと走ろうとする自分自身との対立である。 このような、現実を生きる自分を否定しようとする、もう一人の他人のような自分のことなのである。要するに、自分の中で自分が分裂していて、そしてそれが自分の自意識になっていて、自分で自分を省みる自己意識になっているのである。 |