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3、途切れた連続性。


だからまた、なんでもない自然の風景や、なにげない他人の立ち居や振る舞い、声や仕草の中に、どこか「美しい」ものとか、何か「恐ろしい」ものを無意識にワケもなく感じてしまうのである。そうした、見える現実世界の中から、何か本能的で直感的なものを感じてしまうのである。

自分の中のどこかで、連続性が途切れて同一性を見失っているのである。そして、いままで気づくことのなかった、もう一人の自分のようなものを見てしまうのである。自分の中に住む未知で異質な他人のような自分を感じてしまうのである。

これはある意味で錯覚であり、偏向する主観の誇大拡張された印象でもある。しかしまた、そうして自分でもワケの分からない何かを感じてしまっているのである。そうして本来バラバラで無関係であるはずの、様々な出来事や感覚の中に、何か同じものを感じているのである。つまり、自分の中で抽象化しているのである。

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