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人間の表情といったものは、自分でも意識するということがあまりなく、無意識の内に自分の意志とは無関係に、また、自分の意志に反してさえ、身体が勝手に働いているのである。この勝手にというのは、自分が預かり知らない世界であるということ、すなわち、自分の意志で意識的にコントロールがし難い世界だといういうことである。 それは錯覚と誤認、誤解と迷走の世界であり、重複と錯綜が入り乱れて混乱した末の結果である。あるいはまた、思い過ごしと偏見、さらには誇大拡張された妄想の結果でもある。 あるいは、自分にとって何かしらよく分からないことがあって、それが自分をして、都合のよい偏った印象や目印し、象徴といったものだけを他のところから切り離して、それがより強力な印象として激しくかつ深刻な記憶として、自分の中で残り続けているのである。 |
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