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1、とまどい。


だれかが自分を傷つけようとしているとき、それがとるに足らない無力で無能な人間であるならば、私たちはそれを余裕でもって軽蔑する。またそれが反対に、自分が無力で逃げられないときは、恐れ怯(おび)える。

しかしこの軽蔑したり恐れたりする前の段階、すなわち、何か不都合を予期し、それがいったい何のかいまだ知れず、どうしたらよいのか分からず、ただ驚き、戸惑い、ためらっている状態である。

そうした、何か不都合を予感しながらも、いまだそれが何なのか分からず、どうしたら良いのか判断が出来ないでいる、そうした、ただ驚きと戸惑いの状態なのである。

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