index< 日誌 < h感じ方< 23b-100「肉体の記憶」p5 |
これは、宿命論や運命論というよりも、むしろ、人間の肉体がもともとそのように出来ているということなのである。そしてこの場合の肉体とは、体内の生理の作用のことであって、――これは、当事者が生きている環境によって、大いに左右されるのであるが――、これが性格や気性といったものを方向づけているのである。 そのようにしかならない、という意味でそうなのである。このような生理の作用が、そこに生きる者の気質と気性にすがたカタチを与えているのである。これは、先ほど述べた「朝と夜の違い」や、「熱帯と寒帯」の感覚の違いがそうなのである。 そしてまた、この気質や気性といったものが、その民族の生活スタイルと習慣の傾向と、そしてその信仰、さらには繰り返される歴史のパターンと、その秩序や規則にそのまま反映されているのである。 |