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8、まぼろし。


夢の中の、いつまでたっても目が見えてこない、幻のような存在は、実は自分自身のことなのであって、だから、それが誰なのか分かる「目」の部分は、見えてはならなかったのである。

自分自身の奥底に住む、得体の知れない自分に呑み込まれてしまいそうになるからである。いま現実を生きている自分が、全否定されてしまうからである。自分を見失い、自分が消えて無くなってしまうからである。

もしも、それが自分だというのが見えてしまうと、それに気づいた精神が分裂して破壊されてしまうからである。だからそれは、意識しても、特定されてはならない存在だったのだ。それは、自分の中に住む、もう一人の他人のような自分なのであって、自分の中の忘れられ、失われた潜在意識の世界なのである。

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2019-0113-0120-B