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しかしまた、それだけではない。人間は反発するのである。自分で自分の宿命に逆らうことがあるのである。辛くて、苦しく、ひもじい結果だけをもたらすのであるが、好んでそういうことをしたがる人間もまたいるのである。 あるいはまた、どうしようもなく、どうにもならず、死を待つだけならば自ら進んでリスクだらけの新天地に向かうのである。今日のアフリカからヨーロッパへ、また、ミャンマーから海の向こうへ乗り出す少数民族がそうである。非常に危険な文字通り命がけの密入国である。またたとえ入国出来ても、彼らを待つのは最下層の、そのまた下の差別と迫害だけの生活である。それでも今の生活よりはマシなのである。 しかし、もう少しマシな例がイギリスとアメリカの起源である。あるいは古代のギリシャとローマがそうであった。この場合、密入国したのではない。自分たちが征服者として侵略し入植したのである。そうして彼ら彼女らは、それまでとは違う別のタイプの人間になったのである。かつての「自分たち」の信仰や祭儀をかなぐり捨てて、新たな人間のタイプとして出発したのである。そうするしかなかったのである。 |
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2019-0207-0214