index< 日誌 <au錯覚< 23b-54自分にとっての現実4 「反発」p7

2、どうにもならない。


このようにして、かつての「自分たち」の宿命と決別して、自らの意志と意図でもって、意識的にそれを遂行しようとするのである。そしてまた、人間にとっての意志とは、それですべてなのである。それ以外の現実というのを人間は持ち得ないのである。

だからまた、反発し逆らうと言っても、その限りなのであって、そこから出るということがないのである。主体性や自主性、創造性、自発的などと言ったところで、人間は結局このような現実から離れて生きて行けないのである。現実から離れて生きて行くというのは、「死」しかないのである。

従って、そうした意志そのものが、すでにその始めから設定されていて、与えられ、条件づけられたものなのである。そしてこれが、自分にとっての現実という世界なのである。このような人間の生き方、感じ方、考え方自体が、すでにこのような現実という世界に拘束されているのである。どうにもならない、というのはこのことなのである。

戻る。                続く。

index< 日誌 <au錯覚< 23b-54自分にとっての現実4 「反発」p7
2019-0207-0214