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4、方向性。


だからやはり表情という場合、それは顔の正面でなければならないのである。目やクチや鼻といった、人間が外の世界と係り合うほとんどすべての感覚器官が、この顔の正面に位置し、そしてそれが顔と身体正面の前の方向に向いているからである。

目もクチも鼻も、そして手の指の感覚も、人間の背面後ろ側にはほとんど何も感じられないように出来ているのである。そして肉体のカタチも、臓器や骨格や筋肉もまた、この正面の前の方向に向かって並べられているのである。

末端の感覚から頭脳へ、そして再び頭脳から身体全体へと、空間的にも時間的にも順序づけられ、バランスされ、統合されているのである。そしてこれが人間が持つ身体的・空間的、及び観念的・歴史的な方向性なのである。

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