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それ以外になく、自分にはそれしかないのである。もともとそうなのである。肉体がそれを求めるように出来ている。あらかじめ、そのように設定されているのである。人体の仕組みと、地球という環境と、そして文化という人間関係のシステムがそれを求め、それ以外の生き方を人間に許さないのである。 そして「この幻想と錯覚の世界」というのは、確かにそうなのであって、すべては思い込みの幻想から始まり、そして終わっている。それは少なくとも19世紀以降の人類史を見れば明らかである。 帝国主義、民族もしくは愛国主義、共産主義、そしてそれ以前に、これらの根源にあった理性と合理主義そのものが幻想に過ぎなかったのである。かつてマルクスは、「宗教は人民のアヘンである」と言ったが、理性と合理性そのものが宗教に過ぎなかったのである。 |
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