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5、再現。


際限なく続く同じことの繰り返しが、それ自体で一人歩生きを始めて、繰り返すということ自体に自己の必然性と自律性を見い出しているのである。

繰り返すということ自体が自己目的化し、このようにして自己を保存し、それを継続することによって、現実の存在であり続けたのである。存在とは、このような自己の継続性のことなのである。

そうしたことが、外からの刺激を受け取る側の、自分自身の感覚の内部で行われているのである。また、そうして始めて、物理的な刺激に過ぎなかった外の世界が、自分の中の感覚の世界で再現され、そしてこれが感覚として意識されているのである。

だから、やはりそれは錯覚であり、幻想なのであり、そしてまたそれは、人間の観念の世界がもともとそうなのである。

戻る。             続く。

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2019-0317-0327