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5、保身。


何もしないということこそが、自分の一族と自分の身を保証してくれるのである。ただそれだけが取柄(とりえ)の人間なのである。いままでもそうであったし、これからもそうやって生きて行く以外に何の取柄もない人間なのである。

そしてまた、この取柄が無いということこそが、こうした世界では誰よりも求められる人材なのである。このような世界では、このような取柄のない人間の拡大再生産こそが、このような世界を維持し継続して行く最も重要な条件になっているのである。

すなわち、変化がないということが何よりも大事な世界なのである。そして、このようなシステムにあっては、そういう意志も能力もない、何も出来ない人間がもっとも必要で重宝がられる人間なのである。

アホほど扱いやすいし、思い通りに動いてくれるのである。何を考えているのか分からない、特に自分より賢そうな人間は要らないのである。

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2019-0406-0408