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そしてこれは、そこに住む人々の誰もが望んだことなのである。当然、このような社会では人権もプライバシーも存在しない世界なのである。 しかしまた、そうすることで人間は、自分で自分に苦しむということから解放されたのである。人権もプライバシーも存在しない以上、自分は、この世のあらゆる苦しみから解放されたのである。 だからまた、いったんそうした世界に身を置くと、なかなかそこから抜け出せなくなるのである。しかし、そうすることで自分の身の安全と心の平和を得ているのである。 また、自己の人権もプライバシーも存在しない以上、それは、恐れも苦痛も苦悩も存在しない世界なのである。恐れも苦悩も、それが自分自身のことにならないからである。自分を放棄した世界に、自分の苦しみなど存在しないのである。 それは自分自身の苦痛や苦悩であるはずなのであるが、それが自分自身のこととして意識されることが無い、ということなのである。 |
戻る。 続く。
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2019-0406-0408